CB350Four 車検1回目

CB350Four

1974年10月富山県で初年度登録のCB350Four、2013年1月レッドバロンで購入した時には既に39年経過していた。最初の8年、1980年まで3回ほど車検を通していた記録はあるが、その後の約33年間の記録はなく、おそらく乗らなくなって倉庫かどこかに保管されていたのだろう。
レッドバロンでかなりの整備がなされて売り出されたようだが、製造後40年経過した古い単車の状態には不安を感じていたため、その後の2年毎の車検は、CB400FourとCB350Fourのみの整備に特化している東京足立区のシオハウス (https://blog.goo.ne.jp/shioblog) でお世話になることにした。

2014年12月、2015年1月の期限1ヶ月前に最初の車検をお願いした。この最初の2年間、週末は2週間毎に泊まり掛けのツーリングに出ていたので、走行距離は2年間で8,700km (メーター16,700km) ほど。高速道路で急激に速度が落ちるなど、様々なトラブルがあり、徹底的な整備をお願いした。以下、シオハウス店主の許可をいただいて、その時の整備記録を掲載する。ちょっとマニアックで長くなるが、全文掲載する。

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CB350Fの車検車両
(最近、CB350Fのお客様が増えてきた!)
高速道路を走っていると110km/h、7000rpm以上回らないとのこと。たしかにCB350Fって遅くて追越も厳しい車両。しかし110km/hってことは無いでしょう。
実際に試乗してみるとたしかに110以上出ない、それどころかその後どんどん回らなくなくなり80km/hとかに…。
ガス欠みたいにそのまま止まる訳ではない。これは危ない!!すぐに降りて下道で帰ってきたのですが、街乗りは普通に調子が良い。しかし、装着した油温計は、110度!?

この時期に上がり過ぎでしょう。
まず、キャブではないか?という仮説を立てて、テスト用のCB400F用キャブに交換。同様に試乗してみると、まったく違う!!それなりにスピードは出ますし。油温も90度止まり。キャブか?

フロートチャンバー開けてもそんなに酷いわけじゃない。

なんか大変なことになりそうな予感がします。
バッテリーはお約束の棒グラフ状態。

ブレーキ周りも危険なにおいがします。

キャリパーはピストンを外すと内部には若干のヘドロ。

しかし、ピストンは奇跡的にシール部分には錆は無し。(なぜか奥のほうに若干あるが悪さはしないのでそのまま使います)。

堆積した結晶はいつものごとく。丹念に掃除して組み込みます。

メータークッションは完全に終了。

クッションとしての役目を果たしていません。メーターは精密機器、振動が一番よろしくないですね。
外した(剥がした)残骸。

スイングアームピボット部。たいがいグリスっ気がなく、あまつさえ両端のシールのリップも経たって水が浸入して錆びているものも少なくありませんね。案の定、カラカラ状態。

グリスニップルからグリスを供給した様子が無い。(もっともグリスニップルからグリスを注入してもいきわたらないのです)。
光っているのはブッシュとカラーが直に接触していた部分。この部分は横着せずに分解して、古いグリスを除去して新しいグリスを充填したいですね。

クラッチケーブルもこの通り。「左手握力トレーニングマシン」と化していました。こうなったらワイヤーインジェクターでの給油よりは新品に交換しましょう。(もちろんワイヤーグリスをいきわたらせて組み付けます。)

エンジン不調はテスト用キャブで試乗して症状が確認できなかったのですが、複数回の試乗は必要、高速道路代がもったいないとは言ってられません。
間を置いて再度アタックすると症状再発。首都高三郷線~外環~首都高川口線でぐるっと帰ってくるつもりが三郷で降りざるを得ない状態、年末幹線道路は大渋滞やたら時間を掛けて帰ってきました。
出たり出なかったりで疑うのは点火系。良くありがちな話、海外製トランジスタ点火装置なんかも不安定なので、それこそ10年以上壊れないものや、1年経たずに壊れるもの、いろいろ見ています。しかしこの車両は純正のポイントが付いている。ポイントでも絶対に壊れないことは無いですから、可能性のひとつではあります。

テスト用のコンタクトブレーカーに交換して試乗すると、症状は出ず、非常に調子が良い。
次はキャブレターを元に戻して再度試乗。O/H済のテストキャブに比べると若干パフォーマンスは落ちるものの、非常に調子が良い。コンタクトブレーカーASSYを新品に交換。

マフラーもお約束の内部からの腐食で穴が開き、四輪用品店で売ってる補修テープで補修してあったが剥がれ排気漏れ。

良~く、汚れを落とすと、

こんなに穴が開いています。何故こんなことになるのか?

マフラー下側の水抜き穴が全部詰まっていた。内部に水が残ったままになり、腐食させてしまいます。(CB400FもCBXも同様です。)
これを全部開通させて、穴あき部分は完全脱脂して、耐熱補修テープを張って補修。

エンジンを掛けると、

4つの穴から勢い良く水が噴出します。これは毎回冷間始動時にチェックして、出なくなった=詰まった、と解釈して穴を通すようにしましょう。
    完成しました。
やっぱりCB350Fは4本マフラーが似合いますね。

           SHIOHOUSE
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はたして、最初の車検の内容は以下の通り。旧車を持つには、それなりの覚悟が要るということですね。

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